『ルードヴィッヒ革命』(ルードヴィッヒかくめい)は、由貴香織里による日本の漫画。『別冊花とゆめ』(白泉社)にて、2007年9月号まで連載された。グリム童話をモチーフにした漫画作品で、各童話を王子の目線から別解釈で描く。
某国の王子ルードヴィッヒ(ルーイ)はその凄まじい性格から周りを巻き込むトラブルメーカー。ある日、父王から隣国の姫を口説き落として来いと言われ、従者のヴィルヘルムと共に出発するが、結果白紙となる。
改めて自分に相応しい花嫁を探すために従者のヴィルヘルムと共に旅に出たルーイだが、出会う花嫁候補は皆、一癖も二癖もある女性ばかり。一方ルーイの国ではルーイの腹違いの弟を名乗るユーリウスが現れ、ルーイは王位継承者から外されようとしていた…。
ルーイ一行と殺し屋
ルードヴィッヒ(ルーイ)
声 - 杉田智和
主人公であり各童話における王子。容姿端麗で頭脳明晰だが我儘のサディストで巨乳系美少女好き。
第1話時点では読切作品として書かれたため、初版の『グリム童話』の「白雪姫」の王子と同様に死体愛好家という設定だった。第2話以降は「死体はもう飽きた」としてその設定は無くなり、理想の(=巨乳美女の)花嫁を探す旅に出る。同時に彼の立場は白雪姫の王子から各童話の王子にシフトチェンジした。何だかんだで旅先の花嫁候補達と結ばれることは無いが、第3話「茨姫[プランサスロンス]」で出会ったイーディケ(フリーデリーケ)とは
魔法が解けて以降も互いに相思相愛。
名前はグリム兄弟のルートヴィッヒ・グリム。外見はロックバンド「PENICILLIN」のVo.HAKUEIと作者が公言している。
ヴィルヘルム(ヴィル)
声 - 羽多野渉
ルーイの従者。お人よしでいつも振り回されている苦労人で常識人。幼馴染であるリゼッテに想いを寄せている。ルーイのサディストな性格の裏側にある本性を理解し、何処までも着いて行くと決心している。
彼自身は童話における従者そして様々な登場人部の役割を、その話ごとに割り振られている。
ドロテア
声 - かかずゆみ
各童話における魔女(第5話「ラプンツェル」では妖精。その他、役を割り振られていない話や別の人物が魔女役になっている話もある)。巨乳的ナイスボディーでドM。ドSなルーイの仕打ちに惚れたため勝手に旅に同行する。道中、その魔力でルーイにさまざまな助言・助力を行なう。外見は若い女性だが実年齢は不明。終盤で過去が明らかとなり、人間としての生を得る。
リゼッテ / 赤ずきん
ルーイとヴィルの幼馴染。幼い頃ルーイの悪戯により誤って両親を殺害してしまい、その時の快感が忘れられずフリーの殺し屋になってしまった。両親殺害の原因であるルーイを殺害しようと付け狙うが、中盤からは半ば旅の仲間となり、ルーイ達に力を貸す。
「赤ずきん」という異名の由来は、浴びた両親の血でずきんが赤く染まった事から。
ヘンゼルとグレーテル / ヘンゼルとグレーテル
幼いルーイがお忍びで訪れた森で出会った兄妹。貧困のため親に捨てられ、その際一時的に世話になった強盗を焼き殺した過去を持つ。成長後は自らを守るために殺し屋となり、ユーリウスに雇われルーイの命を狙っていた。しかしルーイが幼い頃出会った「天使様」であることに気付き、終盤ではルーイと協力してユーリウスをペトロネラから解放すべく動く。
ルーイの国の関係者
王ルーイの父親。初登場時は息子の名前を使って他国を侵略する悪王という印象だったが、次第にギャグ系の立ち位置へとシフトし哀れっぷりばかりが目立つように。実は婿養子であり妻のアマルベルガには完全に尻に敷かれている。ペトロネラの暗示によりユーリウスをルーイの異母弟として城に迎えていたが、アマルベルガの帰還によってあっさり(彼女への恐怖のあまり)
暗示が解けた。
アマルベルガ
ルーイの母にして女王。容姿は胸さえなければほぼ息子と同一。ドSで女王様気質。基本的に自分から攻撃を仕掛ける事は無いものの「売られた喧嘩だけを買う」という暴れっぷりに昔から「虐殺女王」「殺戮女帝」と恐れられ、結果的に領地を拡大している。ある国の理不尽すぎる侵攻にとうとう国内外を問わず多くの反対派が現れたため、ほとぼりが冷めるまで旅に出ていた。ペトロネラ
王の愛人かつユーリウスの母親として城に上がっていたが、正体はユーリウスを利用し王国乗っ取りを企てていた魔女。姫
ルードヴィッヒと関わりをもった姫君達。王族・平民が混在する。 各自の名はオリジナルに由来・そのまま・創作に分かれる。
ブランシュ / 白雪姫
声 - 矢島晶子
その美貌を武器に実父、母の愛人、ルーイの父王までも手玉に取った魔性の女。策略を見抜かれルーイの手で殺された。
フリーデリーケ / いばら姫
声 - 沢城みゆき
通称イーディケ。魔女の素養があったため自己暗示で百年の眠りについてしまう。ルーイが唯一心を通わせた女性であり、魔法が解け肉体が死んだ
後もルーイを想い続けている。
アマーリエ / 青ひげ
青ひげの元に嫁ぐことになった娘。巨乳だが実は偽乳だったためルーイの対象外となる。
ラプンツェル / ラプンツェル
ドロテアが栽培していた育毛剤用ラプンツェル(サラダ菜)を食べてしまった母親から生まれた。特異体質のため塔に閉じ込められて暮らしていたが、お忍びで塔を訪ねていたシルヴィオ王子と結ばれる。
マレーン / マレーン姫政略結婚を拒否したために7年以上石の塔に閉じ込められていた姫。既に故人。
カトライン / かえるの王さま
ドロテアの呪いグッズのせいでカエルの外見になっていたルーイが出会った姫。外見にコンプレックスを持ち、父王に愛されていないと悩んでいたが、最終的に誤解が解け父と和解する。
アルベルティーナ / がちょう番の娘
アルベルティーナという同名の侍女がおり、入れ替わり騒動の末に命を落とした。
アッシェン / 灰かぶり
二人の義姉に女中のようにこき使われていた少女。足の大きさ(27cm)がコンプレックスだったが、紆余曲折の末バルドウェイン王子と結ばれる。 彼女の話は"Cendrillon ou La Petite pantoufle de verre"と"Aschenputtel"が混在した内容で、基礎母体となったAschenputtel(アッシェンプッテル)が名の由来。ユーリウス(ユリアーナ) / 塩の姫
ペトロネラの息子でルーイの腹違いの弟として城に招き入れられていた少年。その正体はアマルベルガが成り行きで滅ぼした某国の王子であり、ルーイともペトロネラとも血縁は無い。ルーイを自国の仇と思い込んでおり、その復讐心をペトロネラに利用されていた。当初は男装の姫であるかのように描写されており作者からも姫君としてカウントされているが、紛うことなき男である。